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最高裁判所第三小法廷 昭和50年(オ)100号 判決

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人岸川正の上告理由一について。

原審の適法に確定した事実関係のもとで、本件預金の払戻しにつき、上告人に原判決(その引用する第一審判決を含む。以下同じ。)説示のごとき過失があるものと認めて、民法四七八条に規定する債権の準占有者に対する弁済としての効力を否定した原審の認定判断は、正当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。

同二について。

本件預金の払戻しにつき、上告人に前記の過失が認められる以上、上告人は所論引用の免責約款によつても免責されることはないので、所論の点に関する原審の判断は、正当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 江里口清雄 裁判官 関根小郷 裁判官 天野武一 裁判官 坂本吉勝 裁判官 高辻正己)

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